The Kybalion 抜粋
序文 (PREFACE) 我々はここに、ヘルメス哲学に捧げられた書である『カイバリオン』を世に送る。この哲学は、古代エジプトの偉大な賢者、ヘルメス・トリスメギストスの根本的な教えに基づいているため、その名で呼ばれる。彼はエジプト人からは神々の書記として、ギリシャ人からは神々の使者として、ローマ人からは彼らのメルクリウスとして崇敬されてきた。 本書は、未熟な者から聖なる知識を保護するため、常に秘密と慎重さのベールのもとに、口伝やいくつかの散逸した記述によって時代を超えて伝えられてきた、ヘルメス教えのエッセンスを表している。 この教えが秘密とされたのは、第一に、未熟な精神が誤って理解し、歪曲してしまうことを防ぐためであった。第二に、この知識が権力を持つ者によって悪用されることを避けるためでもあった。そして第三に、真理を求める者だけが、その探索と探求の努力を通じて、自らその真理を発見できるようにするためであった。知識は努力によって得られるときのみ、その真価が理解され、尊重されるのである。 この教えは、世界中のあらゆる偉大な宗教的、哲学的体系の根底に流れる「秘教教義(Esoteric Doctrine)」の一部であり、その核心である。しかし、常にその教え自体は、誤った解釈や悪用を避けるために隠されてきた。 現代においても、人々は真理を求めているが、その真理はしばしば、単純すぎて信じられないか、あるいは、あまりにも深遠すぎて理解できないかのどちらかである。本書の目的は、ヘルメス哲学の真の性質と原則を明らかにし、現代人がそれを理解し、日々の生活に応用できるよう、門戸を開くことである。 第一章 ヘルメス哲学 最も古き時代から、世界の偉大な精神的、宗教的体系すべての共通の源泉となってきた、ある秘密の教義、あるいは普遍的な哲学の伝統が存在した。この教義は、「永遠の哲学」、「古代の知恵」、「秘密教義」、「普遍の真理」といった様々な名で知られてきた。 ヘルメス哲学もまた、これらの古代の思想体系の一つであり、最も古く、最も深遠なものの一つと見なされている。この哲学は、その教えの源泉であるとされるヘルメス・トリスメギストスという偉大な人物にちなんで名付けられた。彼は、古代エジプトの神々の書記であるトート神と、ギリシャ神話のヘルメス神の融合した存在とされ、その知恵は計り知れないとされている。 ...